第3次補正予算に対する区議団の意見

 

本年7月下旬、「誰でも、いつでも、何度でも」というフレーズが突如、保坂区長が得意とするメディア戦略によって区内のみならず、国内を駆け巡りました。多くの区民が、このフレーズに「誰でも、いつでも、何度でも」PCR検査を受けられると期待を寄せることとなりましたが、私達、自民党は当初から、保坂区長の今般の進め方に異を唱えておりました。また、本日、第3次補正予算が議決されましたが、連日、皆様から自民党区議団に多くのご意見をいただいております。大変貴重なご意見を賜り感謝の限りでございます。改めまして、ここに、自民党世田谷区議団としての考えを皆様にお示しいたします。

◆PCR検査拡充策を含む第3次補正予算には以下の理由で賛成しました

社会的検査に関しては、度重なる内容変更の末、議案配付の遅延、臨時での常任委員会開催など、異例の事態となり、我が会派は本件の進め方に対して、いまだ大きな不信感を抱いている。このような事態を招いた原因は、ひとえに、区長がいち有識者の意見に反射的に飛び付き、議会への情報提供はおろか、庁内での議論を経ることなく、あたかも区の事業であるかのごとく、マスコミを通じて大々的に公表したことにある。区職員は多忙を極める中、区長が広げた風呂敷をたたむ作業を強いられ、結局は掲げた理想とは程遠い事業案が提案されるに至ったと認識している。また何よりも不幸なことは、「いつでも、誰でも、何度でも」というフレーズを信じ、補正予算が可決されれば、PCR検査を何度でも受けられると誤解している区民が多数に上ることであり、区長はこの誤解を払拭する努力すら怠っている。今回の一連の混乱は区長の議会軽視、区民軽視、そして庁内軽視によるものであり、区長の政治姿勢を断じて許すことはできない。前期から再三再四に渡り、区長の議会軽視を指摘してきたが、今回の議会無視とも言える行動は、極めて理解し難く、我が会派のみならず多数の会派からの指摘を踏まえれば、この指摘が全く響かない区長に対し、腹心である副区長からの懇切丁寧な助言をまずは、求めておく。次に、この度、厚生労働省が示した検査体制拡充に向けた指針により、区の社会的検査は行政検査に位置付けられ、国費を見込めるとのことではあるが、原資が税金であることに違いはなく、当然無駄遣いが許容されるものではない。現事業案は定期的とされる検査の回数はおろか、実施可否すら流動的であり、本当に福祉施設で働く職員の不安解消に資するものであるか疑念が残る。今後は、都との連携により、検査の連続性を確保し、最大限の実効性を得ることを強く要望するとともに、感染状況に応じて、社会的検査を一旦休止し、従来型検査をさらに拡充していくことを合わせて求める。また、第1段階における検査の結果を科学的に検証し、議会に報告した上で、第2段階以降の検査計画の妥当性を適切に見定めるよう重ねて要望し、新型コロナウイルス感染症対策として決して止めてはいけない事業が多数含まれる本補正予算案に賛成する。なお、区長に対しては、今回のように乱暴な政策形成過程をたどることが二度とないよう、改めて強く忠告しておく。

◆組み替え動議については以下の理由で反対しました

今回の補正予算に関しては、事前説明のための委員会が何度も開催されるなど、異例ずくめの対応が取られ、また、その中で様々な議論があったことを鑑みれば、動議提出に至った経緯について理解できる部分もある。しかし、国の指針に基づけば、区の社会的検査は行政検査の一環となり、もはや社会的検査という概念は消滅しつつあると理解している。また、現在の感染者数は減少傾向にあると見ていたが、本区周辺では再度、増加に転じたとの報道もあり、今後は柔軟な執行計画に基づく適宜適切な対応が必要である。我が会派は従来型検査の拡充を強く求めており、区からは、感染が拡大した場合、社会的検査を一旦休止し、従来型検査に注力していくとの説明もあった。今回の補正予算では、社会的検査と従来型検査は、同じ款、項の区分に属し、予算事業も同一であるため予算の組み替えには馴染まず、また、国が検査拡充を明確に示したことも踏まえ、本動議には反対する。

 

以上、ご一読いただきましてありがとうございました。

これからも自由民主党世田谷区議団は安心・安全を求める皆さまの声に全力でお応えして参ります。